イモリ(特に幼体)に水苔は使ってはいけない

イモリの飼育環境を整える際、床材選びはとても重要です。
多くの飼育者が「保湿性があるから」との理由で**水苔(ミズゴケ)**を検討します。確かに水苔は見た目も良く、保水力が高いため、テラリウムや観葉植物の管理で広く利用されています。

しかし、イモリ飼育に水苔を使うのは非常に危険です。
その最大の理由は「ダニの付着リスク」。

特にダイソーで売られている安価な水苔は使うのはやめましょう。

私は上陸したての幼体の管理ように水苔を使ったところ、謎の皮膚病が発生してイモリが10匹程度死んでしまいました。よく見ると表皮にダニが付着していたので、ダニにやられたのだと思います。幼体が入っている容器の底から水苔を取り除き、赤玉土に変更したところ、一切病気になることはなくなりました。

このことから、水苔を使うとダニに感染してしまう可能性があるため、使うのはやめたほうがいいでしょう。どうしても使いたいのであれば電子レンジなどで殺菌してから使いましょう。

この記事では、イモリに水苔を使ってはいけない理由を、飼育者目線で徹底解説します。


第1章:なぜイモリ飼育に水苔が使われがちなのか?

  • 保湿力が高い:イモリは両生類で乾燥に弱いため、水苔は常に湿度を保ってくれる
  • 見た目が自然風:苔の雰囲気があり、レイアウトが映える
  • 入手が容易:ホームセンターや園芸店で手軽に購入可能

これらの理由から「水苔ならイモリに合いそうだ」と考える飼育者は少なくありません。

ですが、ここに落とし穴があります。


第2章:水苔最大の問題「ダニ汚染」

● ダニが付着しているリスク

水苔は自然素材であり、採取・乾燥の過程で微小なダニやその卵が混入している場合があります。
これらはパッケージに入っていても完全には除去されていないことが多いのです。

● ダニがイモリに与える悪影響

  • 体表に寄生して皮膚トラブルを引き起こす
  • 粘膜や傷口に侵入して感染症のリスクを高める
  • 水槽内に繁殖し、イモリのストレス要因となる

特にイモリは皮膚呼吸も行っているため、体表の環境が乱れると命に関わる病気の引き金になりかねません。

● ダニは完全駆除が困難

  • 高温処理や冷凍処理をしても、卵は生き残る可能性がある
  • 一度水槽に持ち込むと、他のレイアウト材や隠れ家にまで広がる
  • 完全リセットが必要になるケースも

 


第3章:ダニ以外にもある水苔のデメリット

実は水苔には、ダニ問題以外にもイモリ飼育には不向きな要素があります。

● 腐敗しやすい

常に湿った状態を保つため、カビや雑菌の温床になりやすい。
これにより皮膚病や内臓疾患を引き起こす可能性があります。

● 餌やフンが混ざりやすい

細かい繊維が多いため、フンや食べ残しが絡んで分解されにくい
結果的に水質悪化が進みやすく、臭いや病原菌の温床になります。

● 誤飲のリスク

水中や給餌時に繊維が水に浮遊し、イモリが誤って飲み込む危険性も。
体内で詰まると、消化不良や腸閉塞のリスクがあります。


第4章:水苔の代わりに使える安全な床材

水苔は避けるべきですが、湿度維持やレイアウトに役立つ床材は他にもあります。
以下はイモリ飼育で安心して使える代替素材です。

● ① 赤玉土(小粒)

  • 通気性・保水性が良く、自然な見た目
  • 水換え時も扱いやすい
  • 使い込むと崩れるため、定期交換が必要

● ② 水槽用砂利(大磯砂など)

  • 水質を安定させやすい
  • 誤飲のリスクが低く、掃除もしやすい
  • 単純で管理が楽なため初心者向き

● ③ キッチンペーパー/ウレタンマット

  • 清潔さ重視ならベスト
  • フンや食べ残しをすぐ交換できる
  • 見た目はシンプルだが、病気予防には最強

第5章:ダニを持ち込まないための基本対策

  • 自然採取の資材を使わない(落ち葉・土・苔など)
  • 飼育レイアウトは市販の水槽用・爬虫類用製品を使用
  • 餌やシェルターも清潔に管理する
  • 気になるときは、水槽リセットや煮沸消毒を徹底

✅ つまり「自然素材=危険がある」と理解し、清潔第一の管理を心がけましょう。


まとめ:水苔は絶対に使わない!安全な環境づくりを

今回のポイントを整理します。

項目 内容
水苔の危険性 ダニが付着・繁殖 → イモリに皮膚病・感染症リスク
その他のデメリット カビや腐敗、フンの蓄積、誤飲リスク
安全な代替品 赤玉土・砂利・キッチンペーパーなど
飼育の基本姿勢 自然素材よりも清潔さ重視

✅ 最後に

水苔は一見便利に見えますが、イモリの健康を考えると使わない方が安全です。
「ダニリスクを持ち込まない」ことこそが、長期飼育における最大の予防策。

ぜひ今回の知識を参考に、
清潔で安心な飼育環境を整えてあげてください。

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