イモリの水カビ病対策!症状・原因・予防と治療法を徹底解説

イモリの水カビ病の予防と治療法を紹介します。

水カビ病の予防

水カビ病をすでに発症してしまった人も、これを読んで環境を変えてあげてください。

まず、水カビ病は飼育水が古くなると発症しやすくなります。特に、飼育容器に水だけ入れてエアポンプやフィルターを設置していない場合、水カビ病に感染するリスクはかなり高いです。水換えに加えて、ろ過フィルターを設置して水を汚れにくくすれば水カビ病の発症は激減します。

どうしてもエアポンプが使えない場合は砂利や水草を入れるだけでも違ってくるので、初心者の場合やペットとしてイモリを飼育している場合、ベアタンク飼育はやめたほうがいいでしょう。

アナカリスなどの水草を多めに入れると浄化作用があります。また、浄化作用だけでなく、水草の葉には薄い殺菌作用があるため、大量に入れておけば病気予防にもなります。

あとは底砂やソイルなどを敷くことも有効です。私のおすすめは赤玉土です。赤玉土には明らかな殺菌効果があります。イモリの幼体でも赤玉土を底に敷くようにしてから病気になる個体はいなくなりました。

水カビ病の治療

イモリの水カビ病の治療にはメチレンブルーという薬が有効です。ただしイモリは薬に弱いため、半分から3分の1程度の量に薄めます。メチレンが効かない場合は規定量のメチレンを入れるしかないですがかなりリスクを伴います。

どうしてもダメな個体もいる

また、野生の個体など、すでの重症の水カビ病のイモリの場合何をしてもダメなことがあります。人間と違ってイモリの医学はまったく発達していないため、救えないことも多々あります。このため、イモリの水カビ病は治療ではなく予防が一番重要です。

 

イモリを飼育していると、体に白いモヤモヤがついているのを発見することがあります。
それはもしかすると、「水カビ病」かもしれません。

水カビ病は、早期発見・早期対処が極めて重要な病気で、放置すると皮膚がただれ、最悪の場合命を落とすこともあります。

本記事では、イモリの水カビ病について以下のポイントをわかりやすく、かつ詳しく解説していきます:

  • 水カビ病の症状
  • 原因となる要素
  • 予防するための飼育管理
  • 実践的な治療法

第1章:水カビ病とは?【両生類の代表的な感染症】

水カビ病(正式には「サプロレグニア症」とも呼ばれます)は、淡水性の真菌(カビ)による感染症です。
イモリの皮膚や傷口などに付着し、白い綿のようなカビが増殖するのが最大の特徴です。


● 原因菌:サプロレグニア属

  • 水中に常在するカビ(真菌)
  • 通常は害がないが、免疫が落ちた個体や傷ついた皮膚に感染することで病気が発症する

● イモリ以外にも感染する

  • カエル、サンショウウオ、ウーパールーパー
  • 熱帯魚や金魚でもよく見られる病気

✅ つまり、両生類飼育者なら誰もが遭遇する可能性のある病気と言えます。


第2章:水カビ病の症状と発見のサイン

水カビ病は見た目での判別が比較的しやすい感染症です。早期に気づけば、回復の可能性も十分にあります。


● 初期症状

見た目 行動
体表に白いモヤモヤが付着 落ち着きがなくなる、体をこすりつける
ヒレや尾に綿のような塊がつく 陸地に上がってじっとしていることが増える
黒ずみや赤みを伴うこともある 食欲が落ちる、動きが鈍くなる

● 進行すると…

  • カビが皮膚を侵食 → 出血や壊死(皮膚がただれる)
  • 感染が深部に及ぶと、内臓にも影響を及ぼす
  • 腐敗臭がするようになると末期症状
  • 治療が遅れると高確率で死亡

● 他の病気との違い

病気名 見た目の違い 判断のヒント
水カビ病 白い綿のようなカビが皮膚に付着 明確な“ふわふわ”が見える
脱皮不全 白っぽい皮が体に残る 皮が薄く透明感がある
外傷・感染症 赤みや傷はあるが白いカビはなし カビが確認できなければ別の原因も考慮

✅ 水カビ病と脱皮不全は非常によく似ているため、状態の経過観察が重要になります。


第3章:水カビ病の原因とは?【5つの要因】

水カビ病は「カビがいるから発症する」わけではなく、複数の条件が重なってイモリが感染・発症する病気です。


【原因1】外傷・擦り傷

  • フィルターの吸い込み口で擦れる
  • 水槽の角や装飾物で引っかく
  • 他の個体とのケンカや繁殖行動による傷

皮膚のバリアが壊れると、カビが侵入しやすくなります。


【原因2】水質の悪化

  • 水換え不足 → アンモニアや硝酸塩の蓄積
  • 水温変動 → イモリの免疫力が低下
  • 汚れた底砂・ろ過不足 → 菌が繁殖しやすくなる

✅ 清潔な水環境が最大の予防策です。


【原因3】低水温・急激な温度変化

  • 15℃以下になると代謝・免疫が低下
  • 冬の寒暖差やヒーター不使用の水槽で発症しやすい

✅ イモリは20℃前後の水温で最も健康を保ちやすいとされています。


【原因4】過密飼育・ストレス

  • 隠れ家がない → 他の個体からの攻撃が増える
  • 脱走・照明が強すぎる → 常に緊張状態に
  • 餌の取り合い → ストレスで免疫力低下

✅ 1つの水槽に2〜3匹までが基本。


【原因5】別個体や新規導入個体からの感染

  • 新しく迎えた個体にカビが付着していた
  • 野生個体を混ぜた際に水カビを持ち込んだ

✅ 新しい個体は**必ず2週間の隔離飼育(トリートメント)**を行うのが鉄則です。


第4章:水カビ病の予防方法【環境管理・餌・日常ケア】

水カビ病の最大の対策は、病気を発症させない飼育環境づくりです。日頃からの管理で予防できることがほとんどなので、以下のポイントを押さえておきましょう。


● 飼育水の清潔維持が最重要

✅ 実践すべき管理:

  • 週1回の定期的な水換え(全体の1/3〜1/2)
  • ろ過フィルターの清掃(月1〜2回、飼育水で洗う)
  • 汚れやすい床材は定期的に軽く水洗い

✅ 水換え時の注意:

  • カルキ抜き(中和剤)を必ず使用
  • 急激な水温差が出ないように、新しい水は同温で調整

● 水温の安定が免疫力のカギ

  • 理想水温:20〜23℃前後
  • ヒーター未使用の水槽は、冬や春先に急変しやすい
  • パネルヒーターや室温管理で安定した温度帯を維持

● 傷を防ぐレイアウトにする

  • 角のある石・ゴツゴツした流木は避ける
  • フィルターの吸い込み口はスポンジで保護
  • 隠れ家は出入りしやすい形状に調整

● 餌の管理も油断禁物

  • 腐った餌、残った餌を放置すると菌の温床に
  • 給餌は3〜5分で食べきれる量を週2〜3回
  • 冷凍アカムシなどは解凍後すぐに使用し、余りは捨てる

● 新しい個体の導入前には“検疫(トリートメント)”

  • いきなり同じ水槽に入れるのはNG
  • 目に見えない病原体を持っていることもあるため、
    最低でも2週間は別容器で様子見が必要

第5章:水カビ病の治療法【薬浴・隔離・自然治癒の可能性】

水カビ病を発症してしまったら、できるだけ早く適切な治療を開始する必要があります。症状の進行度に応じて、以下の方法を試しましょう。


● 軽度の水カビ(初期)への対応

✅ 方法①:隔離+環境改善で自然治癒を促す

  1. 小さなプラケースなどに隔離(清潔な水+水温22〜23℃)
  2. 水深を浅めに設定(5〜8cm)
  3. 毎日全水換え(カルキ抜き使用)
  4. 餌は与えず3〜5日間安静に管理

✅ これだけでも、自然にカビが取れて回復することが多いです。


● 中度以上の症状には「薬浴」が有効

✅ 方法②:薬浴による治療(一般的)

  • 【定番の薬剤】
    • メチレンブルー(0.1〜0.2ppm濃度)
    • アクリノール(商品名:グリーンFなど)
  • 【やり方】
    1. 別容器に薬浴水を作る(カルキ抜き済み)
    2. 1日20〜30分の薬浴を連日行う(3〜5日間)
    3. 薬浴後は元の清潔な水で休ませる

✅ 注意点:

  • 長時間の薬浴は禁物(皮膚が弱い)
  • 餌は薬浴中には与えない

● 応急処置としての「綿棒除去」

  • 白いカビがはっきり付着している場合、綿棒で物理的に取り除くことも可能
  • ただし、皮膚が弱いイモリには強い刺激になりやすく、出血やストレスを伴うため、最終手段として行う

● 治癒後も油断禁物!

  • カビが取れても、傷口が残っている=再感染のリスク大
  • 完治まではさらに1〜2週間、安静な隔離管理が必要
  • 同じ水槽に戻す際は、環境を完全にリセットしてからにしましょう

まとめ:水カビ病からイモリを守るために

水カビ病は、日頃の観察と環境管理で予防可能な病気です。
しかし、飼育に慣れていない初心者ほど見逃しやすく、重症化しやすいため注意が必要です。


✅ 本記事のまとめ

テーマ 内容
病名 水カビ病(サプロレグニア症)
主な症状 体表に白い綿のようなカビが付着・食欲不振・活動低下
主な原因 外傷・水質悪化・水温変化・過密・新規導入個体
予防策 清潔な水環境・温度安定・餌管理・トリートメント実施
治療法 隔離、薬浴(メチレンブルー等)、初期なら自然治癒も可能

✅ 飼育者としての心得

  • 「あれ?ちょっと白い?」という小さな違和感を見逃さない
  • 薬よりも「日常管理」が一番の予防
  • 治療後は再発防止と再感染リスクの管理を徹底

イモリはとても身近で飼いやすい生き物ですが、その小さな命を守るには、飼育者の注意深い観察とケアが欠かせません。

ぜひこの知識を活かして、あなたのイモリにとって健康で快適な暮らしを作ってあげてください。


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